他人の姿に自分を映す

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女子と音楽 ガールズバンドの巻

ガールズバンドや女性ボーカルなど、

女子が音楽をやるということについて、私は同性としてとても興味を持っている。

単に、音楽をやっている女の子がカッコいいから好きということもあるし、

恋愛や、日々の鬱憤などが「共感」出来る音楽を求めた時、

高確率で女性アーティストの音楽にたどり着いた結果でもある。

 

そこで、頭の中でこんなバンドとか好きだったよなぁと色々考えていたら

形に残しておきたくなったため、書いてみます。

 

 

22歳女子の音楽遍歴 ガールズバンドの巻

 

 

ガールズバンドと聞くと、すぐに飛びついて

聴いてきましたが、その中でも愛してやまない2つのバンドを紹介します。

 

まず、中学生の時に一番最初に好きになったガールズバンド

チャットモンチー

初めてMステで「シャングリラ」を見た時は、女の子なのにバンドとか

カッコいじゃん!!!的な物凄く単純な感想を持ちました。

友達と登下校中に、チャットモンチーってバンドカッコいいし、歌も上手いし

いいよねなんて会話をしたことも覚えています。

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それ以来、チャットモンチーの曲は聴き続けています。

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中でも、「染まるよ」がとても好きです。

この曲はタバコの煙と失恋をテーマにした曲で、

これまでのチャットモンチーが描いてきた、幼さの残る女の子ではなく、

女の子が気怠さを纏い女性になっていく瞬間を表現している。

音数も少なく削り、飾りは何もない。

心の底で煙のように浮かんでいる喪失感がよくわかる。

私が初めて聴いた時はまだタバコも失恋もまともに知らない15歳だったのだが、

この今までにない雰囲気に大人の女性への憧れを抱きながら聴いていました。

今聴くとあの時とは違う感覚を覚えますが、それでもまだこの曲の

ヒロインには届いていません。

他にも、世の中を俯瞰した「世界が終わる夜に」や、

策士な女子の心情を描いた「8cmのピンヒー」などなど

素晴らしい曲は多くあります。

どれも、一度聴けばすぐに覚えられるメロディーラインであり、

男女や世代を問わずに愛されることの出来るバンドが

チャットモンチーなのである。

 

で、ここまで紹介した曲たちは、ドラム・コーラスの高橋久美子が脱退するまでの

曲です。彼女は2011年にチャットモンチーを去りました。

高橋さんはドラム・コーラスの他に作詞をすることが多く

彼女の作る詩や言葉が好きだったファンにとって、脱退は衝撃的だったし、

私もその一人だった。このまま二人でやっていけるのかなとさえ思っていたのですが、

心配無用でしたね。

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「太陽に吠える」は高橋さん脱退後初の作品です。

タイトルから言って、これからの未来への気合と覚悟が十分すぎるくらいの

シングル曲だ。これぞカッコいいガールズバンド!!!

それ以降サポー、トメンバーを色々と迎えながら(複雑なのでざっくりですが)

今でもガールズバンドの代表格として活動をしています。

20代前半女子が、「プラダを着た悪魔」を見て、アン・ハサウェイが好きになる

という通過点を誰でも通るように、バンド好きなら一度はチャットモンチー

好きになると経験を持っているのでは?というのが私の持論である。

 

 

そして、大学生になってから憑りつかれらかの様に聴いているガールズバンドは

赤い公園だ。

最初「ランドリー」と「透明」を聴いた時は衝撃的だった。

アーティスト写真から、このバンドがどんな音楽を作るのかということを

想像することは、誰でもあると思う。しかし、このバンドはビジュアルを

見ただけでは、全くわからない。

そして、音を聴くともっとわからない世界で、私にとっては未知の

体験だった。

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この怪しげな雰囲気は、一度も聴いたことが無い音楽であり、

あのバンドに似てるとか言いようがない。

「のぞき穴」はギターであり、全ての作詞作曲をしている津野米咲の

ダークな部分が飛び出し曲だ。

聴きやすいといった感覚とは程遠い。

 

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一方こちらの「今更」は、活動休止期間を経て一発目の作品だ。

赤い公園は津野さんの体調不良で一時期活動を休止していました。

その辺のどん底にいた津野さんを、今の彼女が振り返るとどう思うのか

是非、インタビューしてほしいものです。

で、「今更」は、全体的に光を浴びた曲になっており、暗さはあまり感じない。

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こちらの「NOW ON AIR」も同様である。

歌詞を細かく見ていけば、「今更」にも「NOW ON AIR」にも

津野さん特有の劣等感浮き彫りになるのだが、しかし、結果的には

そういった感情を受け入れている。

そして、音は以前よりも洗練され、より抜け目のない多くの人から

受け入れやすいものとなっている。

SMAPへ楽曲提供した「JOY」があれほどまでに人々を魅了したことが

証明している。

これは、活動を再開させてからの曲に見られる楽しさであり、

津野さん自身が音楽を作ることを楽しんで出来ているのではと、

勝手に推測している。

が、しかし、以前のようなダークな部分を押し出した曲も恋しいなぁと

思ってしまうことも無きにしも非ずなのだが、アルバムやカップリングでは、

一回聴いただけでは到底理解できないような、「陰津野節」全開な曲も忍ばせている。

最新のシングル「KOIKI」のカップリング「出鱈目」はまさしくそういった曲だ。

「陽津野節」の曲を売り出していくことは、バンドの認知度を上げるには最もな

方法だし、「陽津野節」にはまる人は「陰津野節」に必ずはまる。

津野米咲の話ばかりになってしまいましたが、他の個性豊かな3人のメンバーがいてこその赤い公園ですよ。

絶妙なバランスは見ていて飽きない。

 

 

二つのバンドを紹介しましたが、書いているうちに共通点を見つけました。

それは、「私たち、女子だけどカッコよくバンド頑張ってます感」を微塵も感じないということだ。

中には、その頑張ってます感を発信してくるガールズバンドは結構多い。

しかし、そんなものはいちいちアピールしなくていいと私は思う。

全ては曲の中で証明すればいいことだ。

ただただ質の高いカッコいい曲を演奏し、人々を魅了する。

女だから男だからという概念など関係ないのが、この二つのバンドだ。