他人の姿に自分を映す

出会った人、音楽、映画、小説、感じた事記します。

溜まっていたレビュー綴ります2

前回に引き続き、音楽関連のレビューを綴ります。

 

女王蜂のライブツアー「金星から来たヤツら」Zepp DiverCity TOKYO編のレビューです。女王蜂のライブは初めてだったのですが、ただならぬパワーを感じました。

以下レビューです。

 

女王蜂は国籍も性別も超越したバンドである。この夜も制限するものなど何もない、変幻自在のライブだった。
最新シングルであり、これからのバンドの代表曲になるであろう「金星」や「ヴィーナス」では、日頃拘束されている器(身体)から魂を解放させるかの如く、ジュリ扇を踊り狂わせたかと思いきや、「織り鶴」「告げ口」の鋭いエグさと残酷さで会場全体を湿った粘り気で包み込み、熱された空気を一変させる。そして、並々ならぬ熱量を込めて作ったという曲「始発」「緊急事態」の流れでは、恋愛に疲れ自殺を志願するが、生きることを選び懲りずにまた恋をする女の姿を、繊細さと大胆さの共存するグルーヴで表現し、オーディエンスを涙交じりの笑顔にさせる。一曲ごとにバンドの人格が幾度となく変化する様に鳥肌がたった。
「あなたの望むものになってあげる」と、この日のMCでアヴちゃんはそう言い放った。この言葉こそ、女王蜂というバンドの神髄である。