他人の姿に自分を映す

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オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分

人類が地球以外の惑星に移住しなければいけなくなったとします。

しかし、今地球にいる人類全てを他の惑星に移すことは出来ず、大勢の人が間引きしなければなりません。

そうなると、能力の高い人間や容姿の美しい人間が残され、その他の人間は当然のように地球に残され、死ぬのを待つのです。人間は皆平等だと誰かは言いますが、もしこんな状況になったら人間は不平等だとしか言いようがありません。

そして、私は地球から抜け出すことの出来ない人間であると自覚しています。多分、多くの人が自分も地球に残ると思っていますよね。そんな、地球に残り死を待つであろう人間にも、一人一人違う日々がある。例えその他大勢にまとめられてしまう運命であっても、自分からしたらこの世の終わり程悲しい日あれば、全てが輝いて見えるような嬉しい時もあるのです。

 

映画「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」は、私たちと同じように地球に残るであろう一人の男の86分間です。傍から見ればただの高速道路を走る車に乗った男。しかし、男自身にとってはこれからの人生を左右するであろう86分なのです。ヒーローでも王子でもない人の人生を覗き見するというのは、地味な映像ながらもぞくぞくしました。

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配給会社はアルバトロスです。

友達に教えてもらいアルバトロスの特徴を知ったのですが、この映画を観て納得しました。

決して派手でないですが、体の芯に浸み込んでくる映画です。